平成30年度(2018)冬期

九谷のカタチ ~空間を飾る~

平成31年1月16日(水)~4月15日(月)

今回の企画展では「空間装飾」をテーマに、「花」を飾る「花器」、「香り」を飾る「香器」、それ自体が空間を飾る「飾皿」や「飾壺」を展示します。人は古来より生活の中に彩りを添えるため、また、人をもてなすために、身の回りに様々なものを飾り、楽しんできました。
「花」を生けることで自然をより身近に置き、四季の風情を慈しんだり、「香」を置き、それを焚くことでその場を清め心を整える一助としました。そして、その行為は精神的な領域にまで高められ「華道」、「香道」、「茶道」として私たち日本人の文化に深く根ざすこととなりました。また、九谷焼は非常に装飾性の高い焼物として知られています。掛け軸や屏風を調えるように皿や壺を飾ることは、それを観る人の中に華やかさや趣深さのような感情を生じさせます。
「想いを容れる」―これもまた器としての実用性の一つといえるのではないでしょうか。「空間を飾る」ことは、飾る「人」が飾られる「物」と「場」で綴る「物語」―今回展示の作品がきっかけとなりご覧いただいた方々がご自分の「物語」を見つけていただければ幸いです。

灰皿(三彩抄より)
交趾九龍 香合
水蓮 壺