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令和7年度春期企画展 江沼九谷の流れ 喫茶考 ~汲出・急須・湯呑~

開催期間:令和7年4月16日(水)~ 7月7日(月)

 「茶」の器として思い浮かぶもの、先ずは「茶道」で抹茶を点てる「抹茶盌」それから急須で淹れた緑茶を注ぐ「湯呑」や「汲出」があります。
 日々の暮らしの中で馴染み深いのは後者の2種。その内「湯呑」は自分用、対して「汲出」はお客様にお茶をお出しする器とされています。どちらも手のサイズに近く、比較的造りやすい事、又、普段使いのものから、かつては贈答品や記念品としても需要が高く生産数をこなす仕事でもあったので、窯元では特にロクロ成形の新人が最初に与えられる仕事でもありました。勿論熟練の陶工達も、「やきもの」には常の、乾燥と焼成の収縮を計算し歪みなく一定数の揃った器を焼き上げる為に、その制作に心血を注ぎました。
 特に「汲出」5客に、揃いの柄の「急須」と茶を淹れるお湯の温度を下げる「湯冷し」を組み合わせた「煎茶器揃」は造り手と使い手のおもてなしの心が結晶化したものと言っても過言ではないでしょう。
 今回展示の再興九谷・江沼諸窯で制作された作品群に、清々しい新茶の緑が映える様を感じていただければ幸いです。

矢口永寿 染付丸文煎茶器揃
初代滝口加全 交趾湯呑
九谷寿楽窯 萬暦赤絵写龍鳳凰図煎茶用具揃
九谷本窯 赤絵武者図急須
大蔵壽楽 金襴手茶器
永楽和全 色絵山水図煎茶碗(五)


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