平成30年度(2018)夏期

近代九谷の名工たち ~近代作家による草、花、自然~

平成30年7月4日(水)~10月1日(月)

古来より、人間にとって最も身近な存在の一つである植物は、最も身近な美術表現のモチーフでもあります。特に、温暖で四季があり、豊かな水と緑に恵まれた我が国の風土は、日本人の自然に対する鋭敏で繊細な感覚を育み、身近な草花を多彩で美しい芸術に昇華する感性の礎となりました。九谷焼に従事した先人達も例外ではなく、その伝統を通じて自らの自然観を映しこむがごとく、花や草や樹々、そして果実などを文様化し、作品の装飾としました。その流れは明治以降、より自由で開かれた時代に呼応するように多様な植物文様を生み出し、現代に続いています。今回の展示により、再興九谷・江沼諸窯の陶工達によって受け継がれた、その流れの一端をご高覧下さい。

中村翠恒 葡萄模様花瓶
初代滝口加全 交趾菊文香炉
初代中村敬介 色絵山茶花図飾皿
初代中村秋塘
極楽鳥宝相華紋浮彫花瓶
北出塔次郎 色絵柘榴図台鉢