令和7年度(2025)夏期

 

 「文様」と聞いて、皆さんはどのようなものをイメージしますか?自然界に存在する具体的なものをモチーフにしたと考えられるものから、直線や曲線を組み合わせた抽象的なもの、「青海波」や「唐草」のような、いわゆる伝統文様と呼ばれるものから近現代になって新たに考案されたものなど、私たちの暮らしの中には様々な文様が存在しています。
 それは単なる「装飾」にとどまらず、デザインの一部として表現者の個性や想いを表したり、見る人の感情に影響を及ぼすような「機能」を持っていたりもします。
 その起源はとても古いと考えられ、恐らくは人類史の中で語られるものでしょう。我が国でも、縄文時代にはすでに独創的な文様を施された、世界に類を見ない土器が制作されていました。その文様が何を意味していたのか、今はもう正確に知る術はありませんが、「自分たちの作り出すものに文様を施す」-その精神は後世様々なもの作りの分野に受け継がれました。「九谷焼」もその一つです。
 「古九谷」から現代の作家にいたるまで、伝統文様の組み合わせとバリエーションの展開、そして新たな文様の創出を目指して研鑽を重ねてきました。
 今回の展示が身の回りの文様の存在に、より親しむきっかけとなれば幸いです。それは文様という言葉で表させた、私たちの住むこの世界の表情なのかもしれません。

山本重義 色絵小紋花瓶
山本重義 色絵小紋花瓶(部分)
梶谷竹塘 金襴手杯洗(外側)
嶋田寿楽 青手ひさご白抜中皿(部分)
下出梅仙 赤絵奈良茶碗(側面)
九谷陶器会社 銘「大日本九谷陶器原舎」赤絵登竜紋図鉢(部分)