令和6年度(2024)冬期

 絵付けと並び器胎成形にも卓越した技をみせた再興九谷・江沼諸窯。今回は酒にまつわる器を中心に展示します。
 酒は先史時代から人類が口にしていた飲み物です。古代シュメール文明の粘土板にはビールに関する記載があり、古代エジプト文明でも、ワインやビールが嗜まれていました。古代中国・殷時代の青銅器も、その多くは酒器です。勿論日本でも古くから酒は人々とともにありました。お正月の御屠蘇や結婚式の三三九度のような儀礼・祝祭の場でも飲まれるものから、日々の生活の中で飲まれるものまで、まさにそれは私たちの民族性や文化と深く結びついた存在と言えるでしょう。
 それ故に、その酒を容れる器にも様々な創意工夫がなされてきました。茶を飲む器が茶道の中で「茶器」として使用される特別な器となったように、酒に関する「酒器」も、「食器」とは異なる特別なものと考えられてきました。
 「酒」という字の部首である「酉」は十二支の「とり」を表しますが、元来は酒ツボの象形。酒や発行に関する文字にみられるのはその為です。酒という飲み物とは切っても切れない「酒器」。今回展示の、再興九谷・江沼諸窯の陶工達による作品にほろ酔い気分になっていただくのも、また、ご一興かと・・・。 

九谷壽楽窯
赤絵柘榴図盃
山野和平
水仙文徳利(1対)
山野一鶴
呉須赤絵盃(二)
小島秋江
赤絵壽字角盃
硲伊之助(三彩亭)
吸坂銚子
山野一鶴
富貴長春字入徳利(十)