令和4年度(2022)秋期

江沼九谷の流れ~江戸後期の青手・赤絵・五彩手~

令和4年10月5日(水)~令和5年1月16日(月)

 平成14年秋、発掘・整備された「九谷磁器窯跡」を中心に展開する加賀市文化展観施設として「九谷焼窯跡展示館」は開館しました。今年(令和4年)10月に20周年を迎えるにあたり、改めて再興九谷・加賀諸窯の始まりに立ち返るとの思いを込めて、今回の展示を企画いたしました。
 江戸時代前期に制作された「古九谷」が絶えて約120年後、現在の石川県加賀市にあたる旧大聖寺藩前田家の所領内にて、豪商・四代目吉田屋伝右衛門が「一旦途絶えた九谷焼の伝統を復活する」という志の元、吉田屋窯を開窯。伝統を復活し更に乗り越えようとした吉田屋窯の操業期間は残念ながら約9年間と短命でしたが、その志と窯の火は様々な人々によって受け継がれました。
 江戸時代後期から明治初期にかけて、青手・色絵五彩手・染付等の様式が復活し、さらに赤絵細描や金襴手の技法も確立され、現代の「加賀九谷」の礎となりました。
 本展示により、失ったものをもう一度復活させようと尽力した先人達の思いと「加賀九谷」の原点を感じていただければ幸いです。

松山窯
青手龍図木瓜形皿
吉田屋窯
氷裂梅花紋火入
吉田屋窯
陶器製松樹図大徳利
吉田屋窯
青手山水図瓢形大瓶
宮本屋窯
赤絵玉取獅子図花形菓子鉢
九谷本窯
色絵鳳凰図鉢