平成27年度(2015)春期

江沼九谷の流れ~受け継がれる様式~

平成27年4月8日(水)~7月6日(月)

再興九谷・江沼諸窯が守り伝えてきたデザイン様式。その中から今回は、「五彩手」「青手」「赤絵細描」「染錦」「染付」に着目し、作品を展示します。「五彩手」と「青手」は”古九谷”の時代に既にその作品がみられ、”再興九谷”に受け継がれた、九谷焼では古くから存在する様式といわれます。それに対し、繊細さを誇る「赤絵細描」は江戸時代後期に集大成され、更に明治から戦後にかけて、江沼九谷(現在の加賀九谷)では”大聖寺伊万里”と呼ばれる「染錦」の作品が盛んに生産されるようになりました。又、”九谷五彩”とは全く異なる技法で描かれる「染付」のデザインも存在し、九谷焼の伝統の中に独自の位置を占めています。伝統を守りながらも、それを乗り越えようとした陶工たちの足跡をかんじていただければ幸いです。

吉田屋窯 青手瓜図甲鉢
宮本屋窯 赤絵霊亀図平鉢