令和2年度(2020)春期・夏期

江沼九谷の流れ ~令和元年度寄託品を中心に~

令和2年4月8日(水)~10月5日(月)

「古九谷」が絶えて百数十年後、色絵磁器生産の炎は、当時の大聖寺藩領内で再び熾きました。当時の旧称を冠し「江沼九谷」と呼ばれたその流れは、多くの窯元や陶工を生み出し、江戸時代後期に復活した九谷焼の一翼を担うことになります。「古九谷」青手様式を更に押し進めた「吉田屋窯」や御用窯「松山窯」の作品、木崎卜什・万亀親子や宮本屋窯の煌びやかな赤絵細描様式、幕末藩営九谷本窯に招聘された永楽和全による「金襴手」や古九谷風の「五彩手」、中興の祖ともいうべき竹内吟秋率いる「維新社」の面々の活躍、国内他産地や国外の作品の影響など・・・。現在の石川県加賀市を活動拠点とする「加賀九谷」は、その流れを受け継ぎながら新しい時代の「九谷焼」を目指しています。
令和2年度第1回目となる今回は、昨年度寄託された作品を中心に、再興九谷・江沼諸窯の多様性と、そこに底通する「流れ」をご紹介します。

吉田屋窯 角切小皿
九谷陶器会社
古九谷写色絵山水図角小皿
広沢芦秋
赤絵細描人物図茶碗(五)
北山雲平 紫交趾牛置物